私たちが生活する関東平野は、まわりの山地から運ばれた土砂等によって埋め立てられてできた平らな土地です。堆積物(地層)の厚さから平野の底は海面下4000m。もし、堆積物がなければ、日本海と同じくらいの深い海になっていたかもしれません。また、その低地を構成する地層は沖積層といい、形成年代が新しく(約1万年前以降)、主に粘土、砂、礫からなる一般に未固結で、含水比、間隙比が高く、軟弱なまだ固まっていない地盤です。
低地には実は軟弱地盤が多いんです。低地には雨水や地下水が四方から集中して集まり、雨水が背後の高台から微細な泥を運んでくるため、何千年という長い歳月の間に厚く堆積して軟弱層を形成していくからです。
人為的に形成された軟弱地盤
自然に生成した地盤の良し悪しではなく、人為的に造成したことに原因のある軟弱地盤。
代表的な例は下記の通りです。
軟弱地盤には自然に生成された場合と、人為的な造成等により出来上がってしまう場合があることはおわかりいただけたでしょうか。この軟弱地盤の上に建物を建てた時に沈下が発生しやすくなります。
不同沈下(ふどうちんか)
不同沈下とは、建物の位置によって沈下する量が異なる沈下のことです。建物の重い部分や地盤の弱い部分が他の部分に比べ、大きく沈下することで発生します。
障害程度 | 不同沈下障害の状況 |
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小 | モルタル外壁・コンクリート犬走りに亀裂が発生する。 床に不陸を生じ、布基礎・土間コンクリートに亀裂が入る。 |
中 | 壁と柱の間に隙間が生じ、壁やタイルに亀裂が入る。 窓・額縁や出入口枠の接合部に隙間が生じ、ブロック塀など外部構造に被害が生じる。 |
大 | 柱が傾き、建具の開閉が不良となる。床が傾斜して支障を生じる。 柱の傾斜が著しく倒壊の危険がある。床の傾斜もひどく使用困難である。 |
軟弱地盤の上に建築を考えてゆく場合には、不同沈下を避けるために基礎の仕様を良く検討する必要があります。戸建住宅の地盤に不安があるケースは全体の2割程度と言われていますが、もしあなたの土地がその2割のうちのひとつだとしても大丈夫!
例えば、豆腐の上に直接重りを載せると、重りは沈んでしまいます。それと同じ様に柔らかい地盤に家を建てると家は傾いてしまいます。 豆腐との間に板を置くと、重りは沈みません。家を建てるときも同じ様に、地盤が弱いのなら基礎幅を広げるなど、地盤に合った基礎を設計することで沈下を防ぐことができます。
地盤の性質をしっかりと把握し、その地盤にあった基礎を設計することがとても重要なのです。